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新入生の皆さん、山形大学理学部へのご入学、おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。本来ならば、大学全体の入学式がたくさんの保護者の方にもご参列いただいて、4月5日に執り行われる予定でありましたが、3月11日午後2時46分ごろ東北地方と東日本の太平洋側を突如として襲った大地震と巨大津波による東日本大震災のため、中止のやむなきに至りました。そして、本日、理学部新入生説明会を開催することになったわけでありますが、記念すべき山形大学への第一歩を、このようなかたちでお迎えしなければならなくなったことを非常に残念に思うとともに、例えようのない複雑な気持ちで一杯でございます。 この空前絶後の大震災によって、本理学部の学生ひとりの若い命が犠牲になってしまったことは、非常に残念で悔しく、痛恨の極みであります。皆さんの中にも、ご親族や友達が震災に遭ったり、大変な困難の真っ只中にありながら、この説明会に出席している方もたくさんおられることと思います。ここに、心よりお見舞いを申し上げます。 その上、東日本大震災に追い討ちをかけて起こった原発事故が収束の見込みもなく、極めて深刻な状況にありますが、このような時だからこそ、私たち大学の存在が問われることになります。 山形大学理学部は、ご存知のように、数理科学科、物理学科、物質生命化学科、生物学科、地球環境学科の5つの学科から成っており、教育、研究、地域貢献を三本柱とした活動をしっかりと展開し、より高いレベルを目指して、日々研鑽しています。これらの活動を、きのうよりも今日、今日よりも明日と、質の高いものに発展させていくためには、学生の皆さんと教職員がともに協力しながら前進することに努力しなければなりません。親にとって子供が大事な宝であると同様に、皆さんは山形大学、とりわけ、この理学部にとってかけがえのない宝であり、財産であります。私たちの大事な子供である皆さんには、これからの大学生活を私たち教職員とともに協力しあいながら、ぜひとも悔いのない青春を過ごしてもらい、卒業するときには、今とはまったく次元の異なる人間に成長していてほしいと切に願っております。 これからの大学生活において、皆さんに望むことは、ぜひ、たくさんの友人をつくって、常に相手を思いやる心を豊かに育ててもらいたいと言うことです。大震災の後、被災地の状況がメディアによって連日報道されていますが、被災地の人々は、自分自身のご親族が亡くなられたり、行方不明であるにもかかわらず、友情の輪をしっかりと維持しながら、まわりの人たちのことを思いやり、いつも気丈に振舞っておられます。ひとりになったときには、さぞかし大きな声をあげて泣きたいことでしょうが、まったく頭の下がる思いです。今回の大震災では、人間ひとりではまったく無力で何もできないことをいやと言うほど知らされました。このようなまわりの人たちへの思いやりと豊かな協調性は、私たちがScienceを学び研究していく上でも非常に大切なことです。 たくさんの友人をつくって思いやりの心を育んでもらいたいことのほかに、皆さんに望むことは、何事に対しても情熱と愛情をもってあたってほしいと言うことです。何かをやり遂げようとするときには、必ず大きな壁にぶつかります。しかしながら、熱い情熱すなわち飽くなき探究心と積極性、そして、愛情すなわち深い思い入れがあれば、どのような壁でも、かならず乗り越えることができます。 そのための幅広い知識と柔軟で独創的な発想力を、この山形大学理学部でぜひとも培っていただき、社会にとって本当に必要とされる人間に成長されることを心より期待しております。 震災以降、私どもが手分けをして、電話やメールなどで皆さんの被災状況を伺ってきましたが、本理学部においても、今回の大震災により、就学が非常に困難な方がおられます。そのような学生の皆さんの就学を少しでも後押しできればと言うことを、あなた方のお父さんやお母さんなど保護者の皆様から構成される理学部後援会が快く承諾してくれました。支援の詳細については、明日から始まるオリエンテーションで、各学科の教員から説明がありますので、よく聞いていただきたいと思います。 最後に、皆さんのことを一番愛している保護者への感謝の気持ちを常に持ち、これからの大学生活を実りあるものにしていくよう、心より期待しております。私たちと一緒にがんばって参りましょう。
平成23年4月19日
山形大学理学部長 坂本 政臣 |
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